IT ARCHITECT SUMMIT 2006 SUMMER

ITアーキテクト・サミット 2006 Summer」に行ってきました。場所は大手町。そういえば、20世紀最後の大晦日から21世紀の元旦にかけて、この近くで仕事してたなぁ…。

  • K-1自治体をつなぐSOA基盤構築への取り組み / HARP 若月 誠 氏
    • 遅刻しました…。これ聴きたかったんだよなぁ…日頃の行いが仇に…orz。
  • 【SP-1】サービス指向アーキテクチャの実践 / マイクロソフト株式会社 成本 正史 氏
    • 実際の事例に携わった経験を踏まえたお話は、説得力がありました。また、マイクロソフトっぽくなく (偏_見;;; 、ユーザ本位の姿勢がとても好印象でした。
    • 金融業界を例にした、ケーパビリティのマッピング*1の説明は、分かりやすかったです。「ビジネスケーパビリティ=サービス」という考え方にもとづいて、いい感じの粒度で、サービスコンポーネントに設計ができれば、業務の規模に応じてそれらの組み合わせを変え、変化に強いビジネスアプリケーションの実現も夢ではないのかなぁと思いました。
    • あと、「SOA設計ガイドライン」と「ポリシーのデザイン」はSOAの考え方を取り入れた開発を行おうとした際に、とても参考になりそうです。
    • Windows Vista の画面、チラ見しました。ん〜やっぱ、これからは3Dですね♪
  • 【IB-1】SOA開発を支える技術/製品、その最新動向を探る / 野村総合研究所 城田 真琴 氏
    • 基本的にSOA弱者なので、大変ためになりました。BPMN*2が標準になりつつあるそうな…。
    • ESB…分散、疎結合、標準技術 がキーポイントかぁ…なるほど。
    • XMLアプライアンスXML処理専用機で、負荷の高いXML処理を高速実行するもの?
    • SCA*3とSDO*4は、様々なデータソースに対し、統一的なインターフェースを提供する仕組みのようです。でも、これって、コンセプト的にはADO*5と同じでは…と思ったのは私だけ? ODBCJDBC、ADO→SDO ? … う〜ん、微妙 … ADOは個人的な浅い経験からすると、ODBCの焼き直し?みたいな印象があったのだけれど、果たしてSDOは…? ま、現在はWebサービスSOAの考え方が広まってきている状況があるので、きちんとSOAっぽく利用されるでしょうね。
    • オープンソースBPMプロダクト*6、ESBプロダクト*7ってけっこうあるんですね。
    • まとめ「ビジネスプロセス中心のモデル駆動型の開発はSOAアプリケーション開発の中心になる」に自分で赤線引いてました… ^^;
  • 【SB-2】SOA開発ライフサイクルの生産性とガバナンス向上のために / ソニック ソフトウェア株式会社 武末 徹也 氏
    • ツール*8や、管理画面*9がかなりいい感じでした♪
    • 分散システムでは、テストやデバッグが大変そうです。でも、このツールは、それらにも対応しているようですね。SOAシステムのテストには、このようなツールが必須ですね。
    • 一度使ってみたいなぁ…と思ったり。
  • 【SA-3】事例検証! SOAを成功させるコンポーネントベースモデリングの極意− / 株式会社 日立製作所 桐越 信一 氏
    • SOAがBuzzる前から、コンポーネントベースでSOAチックなシステム構築してました♪ 的なお話でした。実際の経験を元にしたお話にはなかなかの重みがあり、実際の開発の中での問題点やそれをどう解決したかなど、とても参考になることが多かったです。特に開発プロセスやプロジェクト体制についての話はとても参考になりました。
    • 事例の中で、ビジネスプロセスをコンポーネントに分けて、チェインにしていたので、業務的な仕様変更に対し、コンポーネントの処理順を変えるだけで対応できた話などは、まさにSOAxコンポーネント指向の威力だと思いました。
  • 【IB-4】米国SOA最新事情 / 米国マサチューセッツ大学 鈴木 純一 氏
    • (^^ サインもらいました♪ 快く書いて頂きありがとう御座いました。
    • NASAなどにおける、衛星写真の加工/検索システムへのESB適用例をもとにお話されていました。
    • コンポーネントをデプロイメント・ディスクリプタに基づいてフィルターアーキテクチャー構成でデプロイして、システムを実現するというESBのコンセプトが非常に分かりやすかったです。
    • また、デプロイメント・ディスクリプタの記述量が多くなってくると、直接XMLを変更するのは困難になってくるということで、それに対する解決策として、UML拡張を使用して、視覚的にサービス定義やプロセス定義が出来るようにしているということでした。UMLステレオタイプを使用して意味づけしたクラス図から、プロイメント・ディスクリプタを生成する方式で対応しているようです。これぞまさしく、仕様と実装の一体化では!
    • 実装には、Mule ESB を使用しているそうです。
    • サービスの数としては、けっこうな数になるそうです。
    • 衛星からは、X線写真とか、ノイズ除去したものとか、様々な種類の画像が送られてくるそうです。
    • 利用者の要望に応じて、検索された画像を、指定の加工処理を施したのちに届けるというシステムのようです。
    • スケジューリングされたタスクによる処理と、ユーザイベントによる処理の両方に対応しているとのこと。
    • SOAの特色としては、疎結合と処理の隠蔽 という点を強調されていました。
    • アメリカの地方自治体が、高額なものを買う場合、専門の購買組織に申請する必要があるそうで、今はFAX+手作業というワークフローなのですが、エラー率45%(購買組織側の入力ミスとか) !! とのこと。 このワークフローを自動化するために、SOAベースのシステムを提案しているとのこと。購買組織はやる気満々なのだけれど、申請書などの共通化を図るために自治体の現状分析をしに行ったりした人の話だと、今のワークフロー(FAX申請)に、特に不満はないので、なかなか協力的になってくれないとのこと…。人間いずこも同じ?
  • 感じたこと
    • セッションを通して共通項の1つとして思い浮かんだのは「SOAは、よりユーザサイドの視点に近づくこと」ということでした。でも、ユーザとの隙間を埋めるための規格やツールとしては、まだ今2歩くらいかなぁ…という印象でした。でも、相応のスキルと意欲があるユーザと開発者にとっては、SOAな未来はもうすぐそこ*10にありそうです。
    • そのためにも、表現力豊かなツール類*11の充実が大切なのかなぁと思ってみたり…
  • エピローグ
    • ひさびさの東京だったのですが、なんかいろいろビルが建っていて戸惑い…本を買いに八重洲ブックセンターに行こうかなと思ったのですが、北口の近くに丸善があったので、こちらで買い物をしました。以前のJavaWorldのイベントで、Eclipse GMFの話をして下さった河村さんの記事が載ったムック「Eclipseパーフェクトマニュアル vol.6」を購入。あとartonさんのSeasar本も出てた!うぅAmazonにたのんでるけどまだ着いてない… T_T

*1:Capability Mapping … 機能マッピング

*2:Business Process Modeling Notation

*3:Service Component Architecture

*4:Service Data Object

*5:ActiveX Data Object

*6:jBPM、Active BPELApache Agila

*7:Celtix、ServiceMix、Synapse

*8:Eclipse Plgug-in

*9:Sonic Software / Actional

*10:ここ?

*11:ユーザと対話しながら、ユーザが本当に実現して欲しいことを可視化していくもの